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【お薦めレビュー】特撮ヒーローズオルタネイト
奇想白熱のクロスオーバーアクション!
作品名:特撮ヒーローズオルタネイト
著者:青空顎門
お薦めPOINTその① ありそうでなかった“異世界召喚×特撮ヒーロー”
特撮ヒーローと言えば仮面を被って怪人と戦う“例のあの人”を想像すると思いますが、この物語の主人公は正にそれです。しかし決定的に違うのはこの作品がハイ・ファンタジーであるということ。物語の舞台となるのは、ショ〇カーなどの秘密組織や謎の科学技術が存在する現代ではなく異世界、いわゆる「剣と魔法の世界」です。そこには勿論人間以外の亜人たち(作中では「〇〇トロープ」と呼ばれます)が数多く存在し、召喚された主人公から見ればあり得ない非常識(しかしラノベ読者にとっては常識)なものが登場します。しかし反対に異世界の人間からすれば“ベルトで変身する謎のヒーロー”は更に異質であり、その力は彼らの常識からも大きく外れています。お互いの存在、お互いの力が異質であるというこの要素が、クロスオーバーを題材としたこの作品の面白さのひとつです。
お薦めPOINTその② ヒーローとして生まれ変わった人間の葛藤
アメコミならスーパーヒーローやダークヒーロー、日本であれば特撮ヒーロー。どの作品にしても彼らは「素の自分」と「ヒーローとしての自分」という2つのペルソナに板挟みにあい、苦悩や葛藤が絶えません。映画『スパイダーマン』でも「大いなる力には大いなる責任が伴う」という有名なセリフがありますよね。本作の主人公である六間雄也もやはりその呪縛から逃れることはできません。彼は俗に“無双系主人公”と呼ばれるキャラクターの側面も持ってはいますが、ヒーローとなった後でも一人の人間としての感情を失うことはなく、周囲の人々(ほとんど亜人ですが)との関わり合いの中で常に葛藤を抱えて生きていきます。こういった人間的な部分をちゃんと描くことで、この作品は単なる俺tueeeだけでは終わらないものに仕上がっています。
お薦めPOINTその③ ラノベ的萌え要素
ヒーローという存在にスポットを当てた本作品ですが、アクションシーンの他にもライトノベルには欠かせない要素のひとつである“萌え”も忘れてはいません。様々な魅力を持った女性キャラが数多く登場しますし、なかでも表紙や挿絵(イラストは朱宮あずず先生)に多く描かれているケモ耳少女アイリスは、まごうことなき王道ツンデレ美少女です。主人公を召喚した当初の彼女はかなり不愛想なキャラですが、物語が進むにつれ主人公や彼の影響を受けた周囲の仲間たちと交流を深め、徐々にその内面や態度にも変化が顕れ始めます。端々に垣間見えたり、ときにはド直球で描かれる彼女の“デレ”には正にラノベらしい魅力が溢れています。
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