コラム第2回『小説の書き方講座①プロット』

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
どうも。TEAPOTノベルス編集長のヨシビロコウです。

ナビゲーターのテポです!
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
突然ですが、テポ君は「小説」というとどんなイメージがありますか?

うーん……漫画に比べると少し敷居が高いというか、なんとなく難しいもの、というな感じはしますね。
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
なるほど。では自分で書いてみたことはありますか?

チャレンジしてみようと思ったことはありますけど、いざ書こうとすると何から書けばいいのやら…
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
書き出しから躓いてしまったということですね。

はい。ぼんやりとしたイメージやストーリーは思いつくんですけど、どうやって文章にしていけばいいのかが分からなくて。
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
なるほど。では今回は小説の基本となる『プロット』についてお話しましょう。

プロット?
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
そうです。プロットとは小説の骨子、物語の最初から最後までを見通した言わば”話のレール”です。

話のレール……あらすじとは違うんですか?
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
少し違います。あらすじはざっくりとしたストーリーの流れだけを記したものですが、プロットはそれよりもっと深く話を掘り下げます。展開の因果関係や設定まで明らかにし、その場面が何を目的として書かれているのかを明確にします。

ふむふむ。つまり作品の簡略版、みたいなことでしょうか?
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
その認識が正しいでしょう。実際にプロットを短編小説としてまとめた『トリートメント』というものもあります。他にも形式は色々ありますがここでは割愛するとして、今回はプロットが小説を書くにあたりどう役立つのかをお話しましょう。

はい!お願いします!
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
まずプロットは端的に場面を書き出しますが、それぞれの場面の繋がりを意識する必要があります。この繋がりとは因果関係――「だから・なぜ・それによって」という話の結び付きです。これを明確にすると話の展開がスムーズになり、また章や話の中で何を描くべきかも分かります。

なるほど……
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
テポ君は先程、何から書けばいいか分からないと言っていましたね? どんな話をイメージしていたのですか?

ええっと、Eスポーツを題材にした女の子の学園恋愛ものなんですけど……
テポ
テポ

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
ほう、恋愛ものですか。ではその場合だと「なぜEスポーツを始めたのか」、「なぜ”相手の男の子を好きになったのか」という2つの因果関係が必要になりますね。

2つの因果関係。それがさっきの「何を描くべきか」ですか?
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
そうです。プロットは基本的に話の前後が「だから・なぜ・それによって」で繋がるように構成します。ですから描きたいものが先行している場合は後から前へ、つまり「なぜ」で繋がる話が必要になるということです。

なるほど……
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
テポ君のお話は恋愛ものということなので、ここで重要なのは後者の「好きになった理由」ですね。そちらに比重を置いて考えてみましょう。

ふむふむ。確かにきっかけはそんなに深く掘り下げる必要はなさそうですね。始めた理由は「友人に誘われて何となく」とか。
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
それでいきましょう。後者の理由はベタなところで考えると、その男の子に窮地を救ってもらうというパターンが無難でしょうか。

白馬の王子様というやつですね!
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
そうですね。ありきたりですが恋愛では一番シンプルで分かりやすいパターンです。この場合だと「友人に誘われて何となくそのゲーム(Eスポーツ)を始める」「絶体絶命のピンチから救われる」「その人の姿に憧れて本格的にEスポーツにのめり込んでいく」といったところでしょうか。

分かりやすくて良いと思います!
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
メインとなる舞台を高校とすると、助けられるのは前日譚になるので中学校時代ということにしましょう。

だからEスポーツ部がある高校へ入学すると……あ!
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
気づきましたね。これで話の展開が「だから」で繋がりました。それでは序盤のプロットをまとめてみましょう。

【プロット・開幕部分】
中学校時代、主人公は友人に誘われて何となくEスポーツゲームを始めるが、ある試合で絶体絶命の窮地に立たされる。しかし1人の仲間の活躍によって試合は逆転勝利する。(だから)その姿に憧れた主人公は本格的にEスポーツにのめり込む。(だから)中学を卒業し、県内で唯一Eスポーツ部がある高校へ進学する。

ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
どうでしょうか。漠然としていたストーリーが具体的に順序良く構成できましたね?

はい!こうやってまとめてみると、次の展開もイメージしやすいですし、話もスムーズに繋げられそうですね!
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
そうですね。話の書き出しはこのプロットに沿って、主人公が友人にゲームを勧められるところから始めてもいいですし、少しインパクトを与えるために男の子が活躍(無双)しているシーンから書き始めても良いです。

ボクは不慣れなので時系列順で……
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
基本はそれで良いと思います。構成(描写)順序を入れ替えるテクニックは使いすぎると読者を混乱させてしまいますからね。丁寧に、読者が話を理解できるように書くことが大切です。

分かりました!
テポ
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ヨシビロコウ
ヨシビロコウ
それでは今回のコラムはこの辺で。作者読者の皆様、また次回のコラムでお会いしましょう。

お付き合い頂き、ありがとうございました!
テポ
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